終活連載コラム第2回『エンディングノートを自作しよう!死を考えることで生きることを考える』

これからの時代に必要とされる『供養のコーディネート』
「供養のカタチ」の代表 石原 千晶さんの終活コラム。

第2回目はエンディングノートを自作しよう!死を考えることで生きることを考える

こんにちは!「供養のカタチ」の石原です。

さて、前回は終活の大切さをお伝えさせて頂きました。
安心して過ごして頂くために、ご家族へご自分の終末期、死後の希望を伝えて頂くことをオススメさせて頂きましたが、具体的な方法として、遺言書やエンディングノートを書くといった方法があります。
遺言書は法的な効力を持つもので、有効な遺言書であると認められるためには書き方に色々と決まりがあります。そのため専門の仕業の先生にご相談されながら進められるのが良いかと思います。
対してエンディングノートは、法的な効力はないものの、医療や介護といった終末期に関する希望や、葬式、遺産相続、納骨などの死後に関することを家族や周囲の人に書き残しておくことが可能です。
特に市販の物を購入して頂くと、中に記載された質問に答える形で記入していけば完成しますので、簡単かつ気軽に取り組むことができます。
これまでに、エンディングノートを購入した!という方もたくさんいらっしゃいますね。
でも!皆さんそのエンディングノート、完成してますか?!
買って満足…
そんな方が多いのではないでしょうか?(笑)
恐らく購入された時は、自分のために、家族のために、終末期や死後のことについて考え、終活に対し高く意識を持ってらっしゃったのだと思います。
でないと、書店へわざわざ出向いて購入という行動にまでなりませんよね。
でも、家に帰っていざ書こうとした時、内容のボリュームの多さにその高かったモチベーションが一気に下がっていき…なんて方が多いのではないでしょうか(笑)
なんというか、小学校の時に算数や国語のドリルを目の前にしたような…(笑)
最初の数ページ、もしくは最初の数項目だけ記入し、後は放置してしまっているという方が多いのではないかと思います。
「こんな空白だらけのノート、家族になんて見せられない!」
「しかも途中で断念してしまってるなんてことも恥ずかしい!バレたくない!」
そして引き出しの奥の奥の奥のほうーへとしまいこんで日の目を見ることはありません。
こうして、簡単と思っていたエンディングノートで最初につまずいてしまったことによって、終活全般にやる気をなくしてしまう方も多いです。面倒になってしまうんですよね。
これでは、お金ももったいないですし、せっかく湧いた終活へのモチベーションがなによりもったいないです。
前回もお話しさせて頂きましたが、堅く考える必要はありません。
もっと言うと、エンディングノートを購入する必要もありません!
こんなこと書くと、業者の方に怒られそうですが(笑)
かくいう私もエンディングノートを販売しているんですけどね(笑)
エンディングノートのつまずく理由の一つとして、販売されている書籍の内容と、自分の書きたいことが一致していないことが考えられます。
これは、販売されているエンディングノートは、万人ウケするように内容が書かれており、個人に特化していません。
なので全体のボリュームも多くなり、途中で挫折してしまう理由になっています。
必然的に空白も多くなり、最終的な達成感が味わいにくい仕様になってしまっているんですね。
ですから市販のものだと全てを書き上げるのは至難のわざです。
そこで皆さんにご提案したいのは、自分だけのエンディング“メモ”を作ろう!です。
ノートじゃなくていいです。

自分が伝えたい項目だけを自分で作って、書いていくやり方です。

既にエンディングノートを購入されている方や、これから購入を検討されていた方は、市販のエンディングノートの項目から、自分に合った項目を抜き出していくのも良いかと思います。
メモを作成する時、パソコンとプリンターがあれば簡単ですが、なければとりあえず手書きでもいいですよ。
そして、前にもお伝えした通り、一人で書いて、一人で満足はしないでくださいね!
残される人がその存在、内容を理解していなければ、なんの意味もありません。
なので、可能な限り伝えたい人が集まるタイミングで作られることをオススメします。
例えば、
①お盆
②お正月
③お誕生日
④父の日、母の日

です。
ご家族が集まられるタイミングで作成されるのが一番手っ取り早く、なにより確実です。
理由としては、
①残されるご家族が、そういった希望が書かれたものが存在するということを認識できる
②自分の伝えておきたいことだけでなく、ご家族が本人に決めておいて欲しいことを盛り込むことができる
③必要書類を探す手伝いを家族皆んなで出来る
④メモをその場で複写して、家族で共有できる

などです。
エンディングノートを一人で書かれる時のつまずきポイントとして、必要書類を家の中で探すのが億劫になることです。
通帳や権利書などを探したり取りに行ったりする作業はとても面倒で、結果後回しにして空白のままになりがちです。
①は、これまでにお話しした通り、存在をまずは知ってもらうこと。
②は、自分側からのことだけでなく、家族が知っておきたいこともあるはずです。決めておいて欲しいと思う希望もあるはずですので、これを確認しておくことができます。
③は、家族に手伝ってもらい、その時に各書類の存在も一緒に確認できます。一石二鳥です。
そして④ですが、これが市販のエンディングノートではなかなか難しいことです。何冊も何冊も書くのはお金も時間もかかり大変ですが、メモをご自分でパソコンを使って作成すれば、そのままプリンターでご家族の人数分、プリントアウトしてその場で渡しておくことが出来ます。
原本がなくなっても誰かが複写を持っているので安心です。
手書きの方は、コピーを取って渡してください。
そして、どうしてもご家族が集まるのが困難な方、例えば海外に住んでらっしゃる等の方は、プリントアウトしたものをご家族に郵送しておくとよいと思います。
大切なことは、何度も言いますが、
“自分だけのものにしない!”
ということです。
難しく考えず、まずは思いつくことだけで大丈夫です。
とにかく、延命治療をどうするかだけでも!
そして、毎年、その内容を見直す機会を設けて頂くとより良いかと思います。
例えば、お盆の恒例行事にする!とかですね^_^

あと、これは子供の立場からのお願いですが、
きっかけは親から作ってもらえると有り難いです!!!(>_<)
だって、子供からはとてもとても切り出しにくいんです(T_T)
早く死ねってことか?!
財産目当てか?!
そんなことは絶対ないけれど、でも子供からはやっぱり言いにくいし、切り出しにくいんです…
でも、お父さんお母さんのことが大切だから、やっぱり確認しておきたいし、知っておきたいんです!
もしもの時に、ちゃんとしてあげたいから。
切実な想いです。

もうすぐお盆の季節がやってきます。
早い所は7月盆なんていう地域もありますね。
この機会に是非、エンディングメモを作ってみませんか^_^

【プロフィール】
石原千晶さんは女子サッカー「Lリーグ」(現なでしこリーグ)加盟の実業団に選手として所属、21歳の時には年代別の日本代表に選出されたキャリアの持ち主。
身内や教え子の事故をきっかけに「これからの時代、終活が大切」と終活業界に飛び込み、延べ200組以上の客から供養や墓の相談を受けてきた中で、安心の訪問特化型、一人一人に合った供養のコーディネートサービスのビジネスを思いつき「供養のカタチ」を起業し2018年には近畿経済産業局が主催する、女性起業家応援プロジェクト「LED関西」でファイナリストに選出されました!

「供養のカタチ」
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