終活連載コラム第4回『新相続法を知って活用しよう!〜死を考えることで生きることを考える〜』

これからの時代に必要とされる『供養のコーディネート』
「供養のカタチ」の代表 石原 千晶さんの終活コラム。

第4回目は『新相続法を知って活用しよう!〜死を考えることで生きることを考える〜』

みなさんこんにちは!
供養のカタチの石原です。

前回は、終活において知っておくと便利な様々な制度についてお話しさせて頂きました。
今回は、7月に40年ぶりに法改正された、新しい相続法のお話です。
これまでは、故人の死亡により故人の預貯金などの口座が凍結され、夫婦であっても家族であっても引き出せなくなる、いわゆる「凍結口座」が行われてきました。
しかし、口座の凍結によって葬儀費用や病院・施設代金などの支払いに家族の生活が困窮するケースが少なくありませんでした。
そこで!なんと今回の法改正では、家庭裁判所での申請や手続きを経ずに、相続人なら一定の金額を引き出せるようなったのです!
これは本当に沢山の方が助かる法改正で、メディアでも多く取り上げられました。
特に葬儀は目まぐるしく進む上、何かと入り用になります。家族それぞれが費用を立て替えると、後からの精算が複雑になり、「争続」の種になりかねません。
改正前同様、相続人を確定する戸籍の取得は必要ですが、相続人全員の同意がなくても単独の相続人からの申し出による払い戻しができます。
しかし、単独で払い戻しをすることができる額は、
相続開始時の故人の預貯金額残高(口座基準)
の1/3
× 相続人の法定相続分
になります。
加えて、金融機関ごとに150万円が上限になります。
注意が必要なのは、あくまでも相続が確定する前の段階で必要な諸経費に充当できるよう金融機関が仮に支払うだけの、いわば仮払いです。
例えば、故人のご主人の口座から、150万円上限いっぱい奥様が引き出された場合、奥様が元々相続予定だった金額からその150万円を先に支払われた形になります。
ですから、財産分与の際、奥様にはその150万円が引かれた金額が支払われることになります。
とはいえ、病院の清算や、特に葬儀費用は思っていたよりも高額になりますので、手元に現金があるのとないのとでは精神的に大きな違いになります。
例えば葬儀。広告でよく見かける、「家族30万円」を見て、30万円で葬儀をあげられると思っていたらそうはいきません。
これはあくまでも祭壇料のみの場合がほとんどで、これだけでは葬儀はあげられません。
付属品や、お花、お食事代、お坊さんへのお布施などなどで、金額はみるみる上がります。
最終的な金額は、広告の額面の3倍〜4倍で考えておいたほうがよいでしょう。
更に、現金で一括払いの葬儀屋さんもまだまだ多いです。
このように、葬儀費用だけで100万円以上のお金がかかってきますから、当面の生活費も考えると、ひとまず150万円を引き出せることになった今回の法改正は、多くの方にとって安心な制度となりました。
もしもの時に慌てなくていいように、終活の大切さをいつもお話ししていますが、まさかの突発的な事件や事故など、予測が出来ないことも起こります。
そんな時は、こういった制度の存在を知っているととっても安心ですよね。
家族の誰か一人でも知っていれば防げるトラブルです。
終活で安心して元気に生きる環境を整えましょう^_^

【プロフィール】
石原千晶さんは女子サッカー「Lリーグ」(現なでしこリーグ)加盟の実業団に選手として所属、21歳の時には年代別の日本代表に選出されたキャリアの持ち主。
身内や教え子の事故をきっかけに「これからの時代、終活が大切」と終活業界に飛び込み、延べ200組以上の客から供養や墓の相談を受けてきた中で、安心の訪問特化型、一人一人に合った供養のコーディネートサービスのビジネスを思いつき「供養のカタチ」を起業し2018年には近畿経済産業局が主催する、女性起業家応援プロジェクト「LED関西」でファイナリストに選出されました!

「供養のカタチ」
大阪市北区梅田1丁目11-4-9-923 大阪駅前第4ビル9階、問い合わせは080(3838)1594

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