終活連載コラム【FP洋子の死生感🐰】第二回:上司の死について(薬師寺洋子)

終活連載コラム【FP洋子の死生感🐰】第二回:上司の死について(薬師寺洋子)

皆様、こんにちは。
出会いと別れの季節、春ですね。
気持ちの良い季節なのに、今年もまたコロナコロナとスッキリしない日々が続い
ております。
体調に気を付けてお過ごし下さいませ。

さて、第二回は『上司の死について』です。

あれは3年前。
私は外資系金融機関の営業の仕事をしてまして、上司は私の2歳上で、メガバン
クから転職してきた、バリバリ仕事ができる人でした。
特に銀行にいた時は、今のパワハラも真っ青なくらい厳しい人だったそうです。

ある日の夕方、オフィスからの帰り際に、
『薬師寺さん、これからみんなで飲みに行くんやけどいかへん?』
と呼び止められて、
『明日朝直行なので、今日は帰ります。でも案件の相談があるので、明日お願い
します!』
とお断りしました。
次の日の朝、マネージャーから電話。

『冷静に聞いてくれ。〇〇が今朝亡くなった。』

は?何言ってんのこの人?どう言うこと?
亡くなったって、死んだってこと?

↑は私の心の声です。
実際は一言も発せず、路上にへたりこんでしまいました。
ショック過ぎると涙も出ないものですね。

もともと心臓の病気を抱えながら仕事をされていて、年齢的に無理が祟ったのか
もしれません。
実は私が仕事をしていて、40代50代の男性の方の急死に直面すること、けっこう
多いです。

私が感動したのは、彼の『生き様』でした。
葬儀には、それはそれはたくさんの人が訪れ、彼の死を惜しみました。
そして、彼のFacebookには今でも時々、『誕生日おめでとう』『向こうで元気に
してますか?』という投稿が見られます。

SNSやインターネット関係のパスワード等が分からず、本人の死後それを管理で
きず、そのまま継続してしまうものの事を『デジタル遺品』といい、いま問題に
なっいます。
でも、私は、こういうものが残っていて、毎年
『今日は〇〇さんの誕生日です!』
と通達してくれることが、少し嬉しかったりします。

自分の葬儀の時にどれだけの人が訪れてくれるのか、どれだけの人が悲しんでく
れるのか?
そして死して何年も人に惜しまれ、語り継がれる人生を、私たちは送れているで
しょうか?

彼には高校生と大学生の2人の子供と奥様、ローンの残った持ち家がありました。
しかし、彼はしっかり家族に『保障』を残していましたので、ご家族が路頭に迷
うことも、子供たちが進学を諦めたり、奥様が働きに出たりという必要はなかっ
たといいます。

死ぬことは終わりではありません。
人の心にずっと残る『生き様』があれば、人は永遠にその人の中で生き続けるこ
とができると思っています。

もちろん、私の私見ではありますが、少しでもお役に立てれば幸いです。

第三回は『同級生の死について』です。
今日も良い一日をお過ごし下さい。

2021年4月10日
ファイナンシャルプランナー
薬師寺洋子

【薬師寺洋子さんプロフィール↓】

 


金融業界18年目のお金の専門家=ファイナンシャルプランナー
(証券会社12年、外資系保険会5年)
大阪府茨木市在住。行動範囲は関西圏全般。
地元が愛媛県なので、四国にもよく行きます。

マネーセミナーを中心に、お客様のマネープランニングと、
お金に関する問題解決のお手伝いをしております
資産運用のサポートもいたします。