終活連載コラム【FP洋子の死生感🐰】第四回:恩師の死について(薬師寺洋子)

終活連載コラム【FP洋子の死生感🐰】第四回:恩師の死について(薬師寺洋子)


皆様、こんにちは。
本格的な夏の始まりですね!
暑くなりますので、体調管理お気を付け下さい。

さて、第四回のお話は『恩師の死について』です。
皆様には、心に残る『恩師』がいらっしゃいますか?

一昨年、私の所属していた中学校水泳部が廃部になりました。
私たちの時代の水泳部は、市大会、県大会、男女アベック優勝連続10年という輝かしい成績の部活で、その分練習も、年末年始以外毎日という厳しい部活動でした。

水泳部の顧問の先生は男性の体育教師でしたが、とにかく怖い。笑

私の時にはもう定年退職前でかなり丸くなってたらしいのですが、昔はそれこそ竹刀を持ってバンバン指導していたような、超スパルタ体育教師だったそうです。
厳しいけれど、筋の通らないことは一切言わない先生で、いかに私たちを強くするかを真剣に考えて結果を残してくれていたので、生徒からだけでなく親の会からも絶大の信頼のある先生でした。
60歳の定年退職ですっぱり教師を引退し、奥様とのんびり過ごされていると聞いていたのですが、私が大学一年生の時に早すぎる死でこの世を去ってしまいました。

私は先生の背中を見て、365日生徒のために尽くす、この人のような教師になりたいと思っていました。
昨年のお正月に、水泳部OBが集まり廃部を偲ぶ会が行われましたが、終盤は先生の話題で持ちきりで、みんなが涙ぐむ程、今でも部員全員の心に残る恩師です。

先生はいつも私たちに『奇跡はおこる、努力した人間の元には必ず』、そう何度も繰り返し言っていました。
試合の本番、コース台に立ちスタートピストルの音を聞く直前に『奇跡はおきる』とつぶやいていたのを今でも思い出します。
そうすると、不思議と奇跡って起きるもんなんですよね。

もうひとつ、先生は常に『自己ベスト』の更新を目標にしろと言って、そこにこだわっていました。
人の記録ではなく、昨日までの自分の記録を0.1秒でも上回ってこい、と。
記録会でちょっとでも自己ベストを上回ると、満面の笑顔で褒めてくれるのが嬉しくて、さらに練習に励んでいたものです。自己ベストの更新、その集大成が奇跡となって10年以上もの連続優勝というものを作り上げていきました。

今この歳になって、先生の指導の本当の意味が痛烈にわかります。
お元気で長生きしてくれいていたら、今の私としてお話したい事がたくさんあるのに。
とてもとても残念だと感じます。

先生の死から私は、『温故知新』という言葉を思います。
昔はよかったと嘆くのではなく、古きを温めて、新しい時代を知る。
中学校の部活動が効率化のために廃部になり、試合には個人として参加するという形になるそうです。
でも先生が生きていたらたぶん、『それでいい』と言うのではないかと思います。

激しく変化する時代ですが、私の変わらない理念は、どんな時代になっても自分を信じて努力し、今の自分を超えていくことです。

それを教えてくれた先生のような教師に、やっぱり私もなりたいなぁ、と改めて思う今日この頃です。

次回第五回は『お客様の死について』です。
今日も良い一日をお過ごし下さい。

2021年7月11日
ファイナンシャルプランナー
薬師寺洋子

【薬師寺洋子さんプロフィール↓】

 


金融業界18年目のお金の専門家=ファイナンシャルプランナー
(証券会社12年、外資系保険会5年)
大阪府茨木市在住。行動範囲は関西圏全般。
地元が愛媛県なので、四国にもよく行きます。

マネーセミナーを中心に、お客様のマネープランニングと、
お金に関する問題解決のお手伝いをしております
資産運用のサポートもいたします。

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