これからの時代に必要とされる『供養のコーディネート』
「供養のカタチ」の代表 石原 千晶さんの終活コラム。
第10回目は『お墓をどう選ぶ?⑤「樹木葬」〜死を考えることで生きることを考える〜』
みなさんこんにちは!
供養のカタチの石原です。
さて、お墓の選び方、第五弾です!
今回は、樹木葬のお話しです。
樹木葬と聞いて皆さんはどんなものをイメージされますか?
現在は樹木葬といっても色んなタイプのものがあるんです。
寺院の所有する山林の敷地に遺骨埋葬するタイプ
(墓標もなにもなく土に還る、森そのものの中で眠るイメージ)や、
樹木を墓標としたタイプ
(桜などの樹木を一人一本、墓標として植え、その根元に遺骨を埋葬するもの)、
既に植えられている桜などの樹木の周りに石材を使った墓標を並べたタイプ
(一本の木の周りをぐるっと囲むように小さいタイプのお墓をいくつか並べたもの)、
芝生の上に石材を使った墓標を並べたタイプ
(自然の残る環境の中、芝生の上に小さいタイプのお墓が何十基と並んでいるもの)
などなどです。
樹木葬といってもこれだけの種類があるんですね。
そしてほとんどのものに永代供養がセットになっていますが、以前の回でお話しした通り、期限付きの永代供養のものもありますので、注意が必要です。
特に、墓標に石材を使うタイプのものは期限付きの永代供養の場合が多いので、その辺も選ぶ際に気をつけて頂けるといいかなと思います。
それ以外に、樹木葬にもメリットデメリットがありますので、その辺もしっかりとお話ししていきますね^_^
まず、山林に埋葬するタイプの場合、埋葬場所が山ですので、なにより遠いことです。車がないとなかなか通うのが難しいかもしれません。そして、合祀墓と同じで不特定多数の方のお骨を同じ敷地内に埋葬するため、一度埋葬すると取り出し(掘り起こし)が出来ないということです。更には墓標もありませんので、お参りの際には大体この辺かな?という感じで手を合わせることになります。メリットとしては、本当の意味で自然に還ることができることですね!^_^
次に、樹木を墓標とするタイプの場合、樹木は石材と違い寿命があるということです。
え、樹木って何百年って生きるんじゃないの?!
って思いますよね。それは稀なケースです。
特に墓標として用いられるのは桜が多いですが、せいぜい50年程度です。新しい苗と植え替えが必要になります。ただ、こちらは墓標があるため山林に埋葬するタイプのものよりは、手を合わせやすく、山林の自然に近い形で眠ることができます。
次に、既に植えられている樹木の周りを石材を墓標としたお墓がぐるっと囲んでいるタイプのものです。
一つの樹木の周りに数家族の小さいお墓が並んでいるイメージですね。
従来のお墓に比べてかなり小さいタイプの石材のお墓になります。
そのため、埋葬できる人数も限られており、夫婦2人〜家族4人タイプのものが多いです。
人数制限があり、永代供養も期限付きのものが多いので注意が必要です。
永代供養の期限が過ぎると、合祀墓に移動され他の不特定多数の方と一緒に埋葬されます。
そしてこちらのタイプも樹木には桜が多いのですが、まず桜は花の咲いている期間は一年の内たった数日です(笑)それ以外の期間は皆さんご存知の通り、ただの緑の木です。冬には葉さえつきません(笑)
もちろん、桜の咲く季節にはとっても綺麗ですよね!^_^
しかし、花びらの掃除、そしてなにより毛虫がつくんです!(>_<)
毛虫対策として農薬を撒く場合もありますが、それを撒いてしまうと、お墓の上に薬剤がバンバン降ってくることになります。
これも、なかなか皆さん想像がつかなかったことだと思います。
次に、芝生の上に石材を墓標とした小さいお墓が並んでいるタイプのものですが、こちらも通常の墓地に比べると自然が残り、芝生の鮮やかな緑がとても印象的です。
樹木を墓標とせず、石材を墓標とするので植え替えなどは必要ありませんが、先程と同様に永代供養に期限付きが多いこと、そして更に注意して頂きたいのが、雨の日です。
雨の日はこの芝生がぬかるみ、足元が大変汚れます。特にご高齢の方は足元が安定しないため、歩きにくく、危険な環境になります。更に車イスはまず押せなくなります。そして、メインの芝生がぐちゃぐちゃになってしまう可能性があります。
後は雨天関係なく、この樹木葬の場合は地面に直接高さ20センチ程度の石が設置されているため、お参りの際に思いっきりしゃがみこんでお参りする必要があり、ご高齢の方は膝が辛く感じられる方が多いです。更には、火事を防ぐためにお線香を置けない場合が多いです。
皆さん、やはりどんなものを買う時もいいイメージを頭に浮かべて購入されますよね。
恐らくここまでイメージされる方は稀だと思いますが、やはりデメリットもしっかり把握しておかないと、こんなことだとは思わなかった!なんてことになりかねません。
そしてなによりこのデメリットは、販売する側は言いたがらないのです。どうしてもメリットばかり伝える営業マンが多いため、購入される皆さん自らがしっかりと分かっている必要があります。
とはいえ、今ではこのように本当にたくさんの種類の樹木葬があり、見学にまわられるだけでも本当に楽しいかと思います。
従来の暗くて怖い墓地よりも、自然の残る、明るい場所で眠りたい方にはぴったりの場合だと思いますので、是非検討されてみてくださいね^_^
【プロフィール】
石原千晶さんは女子サッカー「Lリーグ」(現なでしこリーグ)加盟の実業団に選手として所属、21歳の時には年代別の日本代表に選出されたキャリアの持ち主。
身内や教え子の事故をきっかけに「これからの時代、終活が大切」と終活業界に飛び込み、延べ200組以上の客から供養や墓の相談を受けてきた中で、安心の訪問特化型、一人一人に合った供養のコーディネートサービスのビジネスを思いつき「供養のカタチ」を起業し2018年には近畿経済産業局が主催する、女性起業家応援プロジェクト「LED関西」でファイナリストに選出されました!
「供養のカタチ」
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