終活連載コラム第14回『お墓をどう選ぶ?⑦「散骨〈海編〉」〜死を考えることで生きることを考える〜』

これからの時代に必要とされる『供養のコーディネート』
「供養のカタチ」の代表 石原 千晶さんの終活コラム。

第14回目は、お墓をどう選ぶ?⑦「散骨〈海編〉」〜死を考えることで生きることを考える〜

みなさんこんにちは!
供養のカタチの石原です。

さて、お墓の選び方、第七弾です!
前回に引き続き、散骨のお話しです。
今回からご覧の方のために、前半は少し振り返りをしましょう。

散骨は大きく分けて二つあります。
山での散骨と、海での散骨です。
法律上散骨は違法ではありませんが、合法でもありません。
いわゆるグレーゾーンなので、
「個人が節度をもって行うように」
という見解が示されています。
埋葬法により遺骨を埋める行為は墓地以外で禁止されていますので、撒かずに埋めたり、墓標を建てれば違法になります!
また、遺骨はそのまま撒くと第三者に発見された場合、遺棄事件として発展してしまう恐れがありますので必ず粉骨する必要があります。
粉骨は自分で出来なくもないですが、精神的なダメージがあるのと、更に法律で決められた粉骨に関する細かい規定がありますので、業者に依頼するのが確実です。
更に注意したいのは、散骨に条例を設けている市区町村があるということです。
どこにでも撒いていいということではないということです。
地域の条例などは必ず確認しましょう。

さて、今回は海洋散骨のお話しです。
海洋散骨とは、文字通り海に故人の遺骨(粉骨)を撒く葬送方法の一つです。
自然に還ることを希望される方や、海が大好きな方が希望されることが多いです。
お墓に納骨しないため墓守の必要がなく、少子高齢化の影響もあって人気が高まっています。
山への散骨と同様、法律で禁じられているわけではないので、行うこと自体は可能です。
ただし、海洋散骨も規制が全くないというわけではありません。
散骨する海を管理する自治体のルールの厳守や、近隣に住む人への配慮も必要になります。
例えば、喪服を避けたり、時間帯を考える必要もありますね。
海では海産物の養殖を行っていることもあります。
その近くで散骨すると遺骨が海産物に影響を与える可能性もあり、心理的に決して楽観視できるものではありません。
物凄く直接的に言ってしまうと、他人の遺骨を食べた魚を、皆さん食べたいと思いませんよね?
また、葬送の一種である以上、散骨する海の付近に住む住民からの理解を得る必要もあります。
これらのことから、ある程度沖に出てから散骨する必要があり、船の手配もしなければなりません。
自治体によっては独自にルールや規制を設けていたり、散骨に許可が必要になったりすることもあります。
このように実際には様々な問題が付きまとうため、遺族だけで海洋散骨を行うのは現実的に難しく、勝手に海洋散骨するのは避けて頂くのがベストです。

山への散骨と同様に、海洋散骨は自然に還ることのできる供養方法の一つです。
墓石を購入するのと比べると費用も抑えられ、墓守の負担も軽減されるなどのメリットもあります。
しかし、共有の財産である自然に散骨する以上、守らなければならないルールが細々とあります。
トラブルになることなく、最期まで適切に故人を送るためにも、専門知識を持った信頼できる専門業者に依頼するようにしましょう^_^

【プロフィール】
石原千晶さんは女子サッカー「Lリーグ」(現なでしこリーグ)加盟の実業団に選手として所属、21歳の時には年代別の日本代表に選出されたキャリアの持ち主。
身内や教え子の事故をきっかけに「これからの時代、終活が大切」と終活業界に飛び込み、延べ200組以上の客から供養や墓の相談を受けてきた中で、安心の訪問特化型、一人一人に合った供養のコーディネートサービスのビジネスを思いつき「供養のカタチ」を起業し2018年には近畿経済産業局が主催する、女性起業家応援プロジェクト「LED関西」でファイナリストに選出されました!

「供養のカタチ」
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