これからの時代に必要とされる『供養のコーディネート』
「供養のカタチ」の代表 石原 千晶さんの終活コラム。
第3回目は希望を叶えるために制度を上手く利用しよう!死を考えることで生きることを考える
こんにちは!「供養のカタチ」の石原です。
さて、前回はエンディングメモのお話をさせて頂きました。
エンディングノートや遺言などを活用し、自身の終末期や死後の希望について頭の中できちんと整理し、書面で内容をまとめることが出来たら、次はそれを自分に代わって誰が行ってくれるかが大事になってきます。
ご家族がいる場合、ほとんどはご家族がその役目を担ってくれます。
しかし、おひとりさまはどうでしょうか。そして、人は誰しもおひとりさまになる可能性があります。
未婚の方だけでなく、死別や、親戚はいても実質的に付き合いが全くないという方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、希望があっても自分がいざという時にどうなってしまうのかとても心配ですよね。
そこで今注目されているのが、
「成年後見」「身元引受・身元保証」「遺言」「信託」「死後事務委任」の5つの制度です。
遺言と信託は財産の行方について取り決めをしておくもの、成年後見は生きている間に認知症などで判断能力がなくなった場合など、そして死後事務委任は自分が亡くなった後の諸々の手続きを託すことが出来る制度です。
前回もお話ししましたが、エンディングノートはあくまでも希望を記しておくものであり、法的な効力はありません。
ですから財産に関するものについては、遺言や信託できちんと取り決めをしておく必要があります。
また、元気なうちはいいですが、認知症などで判断能力の低下が予想される場合、成年後見の制度を利用することを考えておくのも一つです。
成年後見には法定後見と任意後見の二つがあります。
法定後見制度は、既に判断能力が不十分な時に申立により家庭裁判所によって選任された後見人等が本人に代わって財産や権利を守り、本人を法的に支援する制度です。
一方、任意後見制度は、将来、判断能力が不十分となった時に備えるための制度です。
元気で判断能力があるうちに、将来、自らの判断能力が低下した場合に備え、任意後見人を選び、公正証書で任意後見契約を結んでおくものです。
今お元気で自ら終活を進める場合は後者の任意後見制度の利用になるかと思います。
それでは、自分の死後はどうでしょうか。
今ご紹介した成年後見制度は、生きている間しか効力のないものになります。
ですから、死後のことについては、死後事務委任という制度を利用する必要があります。
死後は、葬儀、役所への行政手続き、病院代等の清算、年金手続き、クレジットカードの解約など、様々な事務手続きが発生します。
本来、これら事務手続きは家族や親族が行ってくれますが、身寄りがいない方の場合には誰もその作業をしてくれる人はいません。
このように、死後の多岐にわたる事務手続きを生前にうちに誰かへ委任しておくことができる制度が「死後事務委任契約」なのです。
終活をする場合、自分の希望をエンディングノートにまとめておくことも大切ですが、その希望を託す人を誰にするのかを決めておく必要がありますね。
ですから、ノートは書いて終わりではダメ、家族に伝えておくことが大切で、おひとりさまの場合は制度を上手く利用して判断能力がある元気なうちに自分の希望が通るようにしておく必要があります。
最後は「野となれ山となれ」なんて考えでは、行政と税金のお世話になり、家族に迷惑を掛けたくないなんてどころか、沢山の方に負担が掛かることになります。
『死に様は生き様』
これまでの人生を精一杯生き抜いてきたからこそ、最後まで自分らしい生き方(逝き方)を選ぶ人がこれからどんどん増えていくのではと思います。
ただし、それぞれの制度にはメリットデメリットもあります。
費用もかかり、制度上、簡単に変更できないものもあります。
よく調べて、よく相談して決められることをおすすめ致します^_^
【プロフィール】
石原千晶さんは女子サッカー「Lリーグ」(現なでしこリーグ)加盟の実業団に選手として所属、21歳の時には年代別の日本代表に選出されたキャリアの持ち主。
身内や教え子の事故をきっかけに「これからの時代、終活が大切」と終活業界に飛び込み、延べ200組以上の客から供養や墓の相談を受けてきた中で、安心の訪問特化型、一人一人に合った供養のコーディネートサービスのビジネスを思いつき「供養のカタチ」を起業し2018年には近畿経済産業局が主催する、女性起業家応援プロジェクト「LED関西」でファイナリストに選出されました!
「供養のカタチ」
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