終活連載コラム【FP洋子の死生感🐰】第九回:ペットの死について(薬師寺洋子)

終活連載コラム【FP洋子の死生感🐰】第九回:ペットの死について(薬師寺洋子)

みなさん、こんにちは。
あっという間に12月ですね。
忙しくなっていると思いますが、残り半月、体調に気を付けてお過ごしください。

さて、第九回のお話は『ペットの死について』です。

みなさんはペットを飼ってますか?

わたしは子供の頃、野良犬だった柴犬を飼っていました。当時は犬は外で飼うのが普通でしたので庭で飼っていたのですが、フィラリアという病気で亡くなりました。
まだ小学生だったわたしは、生き物が死ぬという事を目の当たりにした最初の経験でしたので、子供心に悲しくてショックで一日中泣いていました。
そのショックでわたしの母親はもう動物を飼うのは嫌だと、その後絶対にペットを飼ってくれませんでした。
旦那さんの実家の方はずっと歴代に犬を飼っていましたが、今年の夏に老犬のハナちゃんが亡くなってから、義両親はもうペットを飼うのはやめようと思っているようです。

人生100年時代になり、平均寿命もどんどん伸びてきている近年です。長生きだけでなく、働き方や家族の形も大きく変化しました。今やペットを飼ってない家の方が珍しいんじゃないでしょうか。

実際、少子化の続く日本では15歳未満の子供の数に比べ、ペットの数のほうが多くなっています。
総務省の発表によると、令和3年4月1日現在における子供の数(15歳未満人口)は、前年に比べ19万人少ない1,493万人。犬猫の飼育頭数合計は、令和2年度では1,813万頭と子供の数を大きく上回っています(一般社団法人ペットフード協会調べ)。

今やペットいう言葉に違和感があるほど、ペットも家族の一員となりました。
しかし、人と動物との共存には色々な問題点も発生しています。
その一つに、飼い主の死後のペットの生活保証があります。
飼い主の死後、ペットは原則相続人が引き取ります。しかし、環境によって引き受けられない事も多いですよね。引き受けてくれる人や施設が見つからなければ、最悪の場合殺処分になってしまいます。
特に日本ではまだペットに関する法律も設備も欧米に比べて整っていないため、毎年多くの動物たちが殺処分されているのが現実です。

これがもし人間ならどうでしょうか?
いくら身寄りがなくても、殺処分には決してならないですよね。
自分にとってペットはかけがえのない家族の一員でも、日本の法律上、残念ながらペットに人格はありません。
そもそも人間のエゴでペットとして飼育されている動物達です。
なので一度飼ったのならば最後まで面倒を見るのは当たり前で、自分たちに万が一の事が起こった時のために、人間の家族同様に対策を立てておくべきではないでしょうか?

最近は、ペットや動物たちを保護してくれたり、新しい飼い主を探してくれる施設や団体が増えています。
また『ペット信託』と言って、動物の愛護団体などにあらかじめペットの生活に必要な資金を信託(財産の管理をしてもらうこと)することで、生活保証がされる仕組みなどもあります。
ペット信託については、弁護士・司法書士・行政書士の先生などに相談されたらよいかと思いますが、最近ではメジャーになってきましたので、ペットショップや動物病院、ペット保険の会社などに問い合わせてみてもいいかもしれません。
自分たちの愛する家族であるペットが、一生幸せに過ごせるように生前からきちんと対策を立てて考えておく。
これも立派な『終活』の一つと言えるでしょう。

ちなみにアメリカでは、正式な相続としてペットにも財産を遺すことができます。
飼っていた猿に巨額の遺産を遺したスーパースターの話は、当時世間を騒がせました。

わたしは、12年前にネザーランドドワーフというピーターラビットの種類のうさぎを飼い始めました。
そして6年前に、もう1羽ホーランドロップイヤーという種類の垂れ耳のうさぎを飼ったので、合計2羽のうさぎが家の中を元気にびょんこぴょんこしております。
わたしたち夫婦には子供がいませんので、それはもう子供のようにこの仔達をかわいがっています。

『今すぐここで泣いてください』と言われたら、みなさんはどうしますか?

わたしは、この仔達が死んでしまったら。。。と想像したらすぐに泣けます。
昔は旦那さんが死んでしまうことを想像して泣いてましたが(笑)。

人間の家族同様に愛しているペットだからこそ、人間よりもより手厚く、自分たちがいなくなった時のことを考えてあげなければいけないのかなと思います。

今年の年末年始は、久しぶりにみんなが集まって顔を合わせるご家族も多いと思います。
家族の一員であるペットのことも、みんなで話し合ってみてはいかがでしょうか?

では、次回の第十回はいよいよ『自分の死について』です。
今日も良い一日をお過ごし下さい。

2021年12月15日
ファイナンシャルプランナー
薬師寺洋子

ファイナンシャルプランナー
薬師寺洋子

【薬師寺洋子さんプロフィール↓】


金融業界18年目のお金の専門家=ファイナンシャルプランナー
(証券会社12年、外資系保険会5年)
大阪府茨木市在住。行動範囲は関西圏全般。
地元が愛媛県なので、四国にもよく行きます。

マネーセミナーを中心に、お客様のマネープランニングと、
お金に関する問題解決のお手伝いをしております
資産運用のサポートもいたします。